IUD(子宮内避妊器具)

IUDとは?

IUD(Intrauterine Device)は、子宮内避妊器具のことです。子宮の中に、IUDを挿入すると、受精卵の着床を邪魔して、妊娠を妨ぐことができます。従来のIUDは、ピルにくらべると、避妊成功率が少し劣っていましたが、99年の低用量ピルの認可に続いて、新しい銅付加IUD(IUCD)が日本でも認可されました。

銅付加IUDは、ピルに迫る避妊成功率が報告されています。ピルにするか、IUDにするか、女性が自分の意志で、確実に避妊できる方法を比較してみましょう。

写真でわかるIUD

FD-1(従来のIUD)

初不二ラテックス社製、販売:森永乳業株式会社

FD-1(従来のIUD)

切手くらいの大きさで、ストリングが1本ついています。

FD-1(従来のIUD)

素材は、合成樹脂だけでできています。魚の骨のような形をして表面積を広げ、受精卵の着床を妨げる働きをしています。

銅付加IUD(新しいIUD)

マルチランAG社製(アイルランド)、輸入元・販売:日本オルガノン社

銅付加IUD(新しいIUD)

中央に銅線がコイル状に巻かれています。ストリングが2本ついています。

銅付加IUD(新しいIUD)

素材は、合成樹脂と、銅です。子宮の中で、ループの部分が着床を妨げる他、銅イオンも、精子の子宮内への進入を抑制し、受精卵の着床を妨げるので、2重に妊娠の成立を防ぎます。

生理が終わってから、2~3日後がIUDを入れるのに適しています。
IUDの挿入は、産婦人科の外来で、麻酔なしで受けることができます。
膣を消毒後に、子宮の入り口から、医師がIUDを挿入します。挿入時に、少し痛みがあり、出血する場合があります。挿入後は、ストリング(IUDについているひも)を適当な長さに切り、膣のなかにストリングを残し、超音波検査でIUDの位置を確認したあと、帰宅できます。
所要時間は、5~10分です。
細菌感染を予防するため、数日間抗生物質を内服し、挿入当日のみ入浴を制限します。1週間後に、IUDの位置を確認し、挿入後初めての生理終了後に、もう一度IUDの位置を確認します。
以後は、およそ3ヶ月後、6ヶ月後、1年後、2年後に定期的に診察を受け、IUDの位置の確認が必要です。
IUD挿入後、途中でIUDを止める場合は、産婦人科で、膣のなかのストリング(IUDについているひも)を引いて、IUDを抜きとります。
順調な場合でも、2~3年に一度は、IUDを新品に交換することが、望ましいとされています。

正常な膣内

正常な膣内
ピンク色の子宮膣部(しきゅうちつぶ)と表面の赤い所が子宮膣部びらんです。粘液は無色透明で、中央の横方向の割れ目が外子宮口(がいしきゅうこう)です。

IUD挿入後

IUD挿入後
外子宮口からストリング(IUDのひも)がでています。IUDを抜くときには、このストリングを引きます。ストリングは、とても軟らかいので、セックスの際にペニスを傷つけることはありません。

症例写真を提供していただいた患者さんに深く感謝します

5年間有効、さらに新しいIUCD・ノバT登場♪

IUCD・ノバT

ノバTは、銅付加IUDですが、5年間有効です。
第1子分娩後、2~3年あけて第2子を希望される場合は、オルガノン社の銅付加IUDをお勧めします。
今後、子供はもう希望しない場合は、日本シエーリング社のノバTをお勧めします。

IUDの向いている女性、向かない女性

IUDは、分娩経験があり(経産婦)、セックス・パートナーが一人に限定された、子宮などに筋腫などのトラブルのない女性に向いています。逆に、分娩経験がなく(初産婦)、複数のセックス・パートナーがあり、子宮に筋腫などのトラブルのある女性には向いていません。

IUDは、異物である器具を子宮内に挿入し、常時装着した状態になるため、子宮の入り口が狭い分娩経験のない女性には、IUDを装着することが困難です。また、挿入後に生理痛がひどくなったり、生理の出血が増えて、途中でIUDを中止する場合もあります(ピルが、生理痛をやわらげ、生理の出血を減らすのと逆の関係になります)。

また、IUDに感染して、子宮内膜炎や骨盤内炎症をおこすことがあり、複数のセックス・パートナーがあり、性行為感染症のリスクの高い女性では、注意が必要です(ピルが子宮内膜炎や骨盤腹膜炎を減らす傾向があるのと逆になります)。

筋腫などどがあって、子宮が変形している場合も、IUDの位置がずれて外れてしまったり、IUDが子宮内で動いて不正出血を招くことがあります。IUDが正確に装着されずに、外れてしまった場合は、避妊効果はなくなります。
IUDは、ただしく装着されていることを定期的に確認する必要があり、IUDを使う女性は、産婦人科を定期的に受診することが大変に重要です。

従来のIUDで最も問題とされたのは、IUDが正しく装着されているにもかかわらず、IUDを入れたまま妊娠してしまうケースが、数%あったことです。
せっかくIUDを入れたのに、妊娠してしまったケースでは、IUDの避妊法としての信頼性に疑問を抱かざるを得ませんでした。しかし、銅付加IUDがピルに迫る避妊成功率を上げたことで、医学的にIUDが再評価されるようになりました。ただし、依然としてごくわずかですが、妊娠してしまう女性があります(日本で行われた2年間の臨床治験で、708人中、4人が妊娠しています)。

ピルが、毎日毎日欠かさず薬をのみ続けなければならないのとくらべ、IUDにはそうしたわずらわしさがありません。ただし、IUDは、位置確認を医療機関で定期的に行う必要があり、中止する場合も医療機関を受診する必要があります。不正出血で、子宮体部ガンが疑われる場合には、IUDを抜いて検査する必要があります。ピルのように、自分で自由に中止したり、再開したりすることができません。

いずれにせよ、男性にたよらず、女性が自分の意思で避妊することが確実にできる方法がさらに増えたことは、女性にとって大変に喜ばしいことです。
従来は、未婚で、仕事が忙しい20代の女性にはピルが適しており、結婚して子供を生みおえた30~40代の専業主婦にはIUDが向いていると言われてきましたが、女性のライフスタイルは非常に多様化しており、一概に言えなくなってきています。

IT革命が進行中の現代では、最終的に低用量ピルを選択するか、銅付加IUDを選択するかは、女性が自分で情報を収集して、自分で判断する時代になったといえるでしょう。

銅付加IUD(IUCD)ノバTを希望される女性へ

宮川クリニックでは銅付加IUDの装着、定期検診、交換を行っています。
IUDにはピルと同じく健康保険が適応されません。
2006年1月から値下げ(従来より13%値引き)しました。
銅付加IUDの装着・交換は33,000円(内税)、5年間有効なさらに新しいノバTは38,000円(内税)、定期検診は1,500円(内税)、銅付加IUD・ノバTの抜去は3,000円(内税)です。
宮川クリニックで銅付加IUD・ノバTを装着後に不正出血などトラブルが発生した場合は電子メールで双方向に情報交換が可能です。

女性の健康診断

開業医で気軽に受けられる女性のための健康診断を目標に料金を低く設定しました。全部受けても4,800円(内税)です(^^)。これ以外の料金は、一切かかりません。ご自分で受けたい検査だけを選ぶこともできます。また、血液検査の結果や子宮がん検診の結果は、1週間後に電子メールでお知らせすることもできます(無料)。

ピルとは関係なく、婦人科特有の病気(子宮筋腫や子宮内膜症、乳腺疾患)が心配で、専門的にチェックしてもらいたい女性にお勧めです。

子宮がん検診 子宮膣部細胞診 1,000円(内税)
乳がん検診 触診と超音波検査 1,000円(内税)
経膣超音波検査 子宮と両側卵巣 1,500円(内税)
血液検査 貧血・肝機能・血糖値など10項目とHbA1c 1,300円(内税)
血圧測定と尿検査 血圧と簡易尿検査 無料
合計 4,800円(内税)