性別違和(性同一性障害)とは

「肉体的には完全に正常で、自分の肉体が男女どちらの性に属しているかはっきり認知している一方、精神的には自分が別の性に属していると確信している状態」と定義されています。別の言葉でかんたんに表現すると、肉体も精神も正常であるが、肉体の性と精神の性が一致しない状態ともいえます。
2013年アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-V)で、GID(性同一性障害)※1からGD(性別違和)※2と名称が変わりましたので、当院でも性別違和(GD)よ呼ぶようにしています。
性別違和感に悩む人達は、当然の事として自分の精神の性に従って人生を送りたいと考えています。
このため、たとえば男から女になりたい場合は、服装や髪型など外見を女性風に変えるだけでなく、体も女に近づくように女性ホルモンの投与を受けたり、最終的には外科的手術を受けたいと考えている人が少なくありません。
しかし、大人になって途中から自分の性を変更しようとすると、医学的な問題点のほかに、たとえば、(1)名前を女性または男性名に変更する、(2)戸籍上の性を男から女、または女から男に変更する、(3)肉体的には同性となる男性または女性同士の恋愛や同棲・正式な結婚生活を希望するなど、現在の社会習慣や法律制度と対立が避けられない事態に直面するケースも今までは少なくありませんでした。

※1 GID:Gender Identity Disorder
※2 GD : Gemder Dysphoria

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律

しかし、関係者の努力により、2004年7月に「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が施行されました。

  1. 戸籍上の改名は、医師の診断書があれば可能になりました 医師の診断書だけで家庭裁判所での改名が許可されるようになりました。従来は、郵便物など、長年通称を使用してきた証明が改名の必須条件とされていましたが、診断書だけで改名がスムーズにできるようになり、当院受診中の方でも第一号の改名許可者が2005年に現れました。診断書をご希望の方は、遠慮なくお申し出ください。
  2. 戸籍上の性別の変更には制約があります 最近までは、成人で、結婚していない、子供がいないなどの制約があり、すでに結婚して子供のある人には、性別の変更が認められていませんでした。しかし、実際には、性同一性障害でも結婚して配偶者・子供のある人は非常に多いため問題となっていました。
    性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律では、施行後3年(2007年)をめどに法律の内容を見直すことになっていました。ようやく2008年、結婚して子供がある場合でも、子供が成人していれば性別変更が可能になりました。

診療方針

性別違和感が強く、治療を希望される場合、現在では医学的には本人の希望する性にできるだけ近づくように医療を行うのが一般的となってきています。
ただし、こうした治療には日本では制度的・法律的な制約が多く、患者さんの精神的な悩みを解決するためのカウンセリングやホルモン治療・外科的手術が受けられる医療機関は非常に限られているのが現実です。
『日本精神医学会の性同一性障害治療のガイドライン』を尊重しながら、当院では、性別違和感の強い患者さんにホルモン治療を中心とした診療と健康管理を行っています。
ただし、ガイドラインから外れた治療経過をすでにたどっているかたや、まずカウンセリングから受けたいという初めてのかたも、もちろんOKです♪
アメリカ精神医学会の精神障害の分類と診断の手引き(DSM-V)※1やWHOの国際疾病分類基準(ICD-10)※2なども参考にしますが、実際の診療では、実に多彩な人たちが、様々な希望を持ってクリニックを受診されますので、柔軟に対応することを心がけています。

※1 DSM:The Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
※2 ICD:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems

紹介状不要・保険証無用です。性別違和感を解消するための治療を希望される方は、お気軽に宮川クリニックを受診してください。